【世界にひとつだけのオリジナル風呂敷つくり@清澄庭園】当日レポート絞りパート
1月19日に無事、【世界にひとつだけのオリジナル風呂敷つくり@清澄庭園】を開催し、無事終了いたしました。
先日は前半戦でご紹介した風呂敷の活用法をご紹介させていただきましたが、
今回は、ワークショップの後半戦【絞り】パートについてお伝えしていきますね(*^^*)
あなたは、『絞り』というとどんなものを思い浮かべますか…?
・職人の技
・専門技術
・手が込んでいる
・難しそう・・・
そんな自分とは全くかけ離れた世界にあるように思う絞りですが…草木染めを行っているうちに、家庭でも個人でも身近なもので出来る絞りがあるというのをわたしも昨年初めて知りました!
使うものは
・木の板
・輪ゴム
・割りばし
など・・・これならどこの家庭でも簡単に手に入りますし、気軽にお試し出来そうですよね(*^^*)
そんな、
【わたしにもできる絞り】
を体験していただきたくて、今回は実際に皆さまに【絞り】体験を行っていただきました。
【絞り】の種類をご紹介
まずは、講師の佐々木が絞りの種類について説明してくれました。今回は主に木の板を使った”板締め”という方法を中心にご紹介しました。
絞りの仕組みは意外に簡単で、布を規則正しく折りたたみ、割りばしや木の板でその布をギュッとサンドイッチします。上記の佐々木が手に持っている手拭いも、長方形に折りたたんだものの真ん中を板で染まらないようにカバーした(防染)ものです。
絞りのパートも皆さま大変興味を持ってくださり、
「絞り方の方法でこんなにも柄が違うのかと驚きました!」
「染め物のデザインを考えるのも楽しくて、時間を忘れるほど熱中させていただきました。」
「大判の染めははじめてでどのように染まっているか、とても楽しみです」
などの感想をいただいています。
当日時間の制約もあり、全員分をその場で染めることは難しかったので、染めの工程はデモンストレーションというカタチでみなさまにご覧いただきました。
材料はビワの葉で、ピンク色に近いセスキ媒染と紫色に近い鉄媒染の2種をご覧いただき、実際に染めの工程をみていただくことで、より一層草木染めを身近に感じていただけたかな?と思っております。
【板締め】のご紹介
当日は、板締めを中心に絞りの種類をご紹介しましたが、実際にどのようなものかを図解しますね(*^^*)写真は当日のものではないですが、実際にわたしが過去に染めた手拭いになります。
幾何学模様を出す時には、仕上がりが正三角形、四角形、二等辺三角形など、お好きなカタチに布を折りたたんでいただきます。その後、染めたい部分はそのままに、防染(色を入らないようにする)部分を板や割り箸で保護します。防染をしたまま染色液に入れ、その後媒染(布に色を定着させる)し、しっかりと染まったところで防染を外します。
どうでしょう?こんな風に芸術的に仕上がります。
つまり、模様の出し方というのは、
I )どんなふうに折りたたむのか?
Ⅱ)どこを染めてどこを抜くのか?
この2点を考えながら行っていただきます。
参加されたみなさまはこの組み合わせを夢中で考え、個人個人お好みの模様を出すべく一生懸命風呂敷を絞っていらっしゃいました。
絞るために畳む
さて、ご自身の風呂敷をどんな模様にしようかな…と考えた時、
I )どんなふうに折りたたむのか?
ここから考えていきます。
正方形に畳む人、二等辺三角形に畳む人、畳まずに輪ゴムや糸で縛る人・・・それぞれが風呂敷というと、結構な大きさです。
今回使用したのは約90cm四方(正確には、正方形ではないですが…)の綿素材の風呂敷と、40cm四方の絹の小風呂敷。綿風呂敷の方は、なかなかの大物です。どちらかお好きな方をお選びいただくカタチにしたのですが、前半で風呂敷バッグの作り方をご紹介したので、綿風呂敷の方が人気がありました(*^^*)
シンプルに四角く畳む人、三角形にする人、なにやら佐々木に相談してわたしたちが考えてもみなかった畳み方をする人…参加した人数分の個性が揃いました!
染める色もピンク系、ブルー系、イエロー系と3種類選んでいただき、それぞれで絞ってもらったものは佐々木が持ち帰り、染めて後日郵送というカタチにさせていただきました。
【お楽しみPart2~くじ引きタイム~】
前半戦は佐々木が育てた藍のお茶でみなさまに間接的に染めを体験していただくというお楽しみタイムを設けました。そして、後半にはもうひとつのお楽しみを準備しておりました(*^^*)
シンプルですが、くじ引きです!
デモンストレーションで佐々木が染めた手拭い2種を【プレゼント】します!と告知すると、みなさん「欲しい!」と手をあげてくださり…。ラッキーなお二方にお土産としてお持ち帰りいただきました。
また、酒瓶の代わりに当日持参した”お酢”・・・。こちらもくじ引きでプレゼントさせていただきました(笑)
・・・と、和やかに進んだワークショップですがこのワークショップを通じてわたしたちがお伝えしたかったこと・・・それは、シンプルに
【日本人を楽しもう】
そんなことだったのかもしれません。風呂敷という昔からの文化を学び、日常で活かすこと、絞りや染めという伝統文化を知り、体験してみること。少し前の時代の人なら当たり前だったことが、近年のわたしたちには馴染みがなく、とっつきにくい部分がある。
けれど、もういちど日本人が昔から引き継いできた知恵や技法を見直して、その良さを令和の時代だからこそ取り入れていければ良いなと思っています。
【最後に…植物と人間の共通点】
草木染めは植物を材料としているので、収穫時期によって春と冬で出る色が微妙に変わったり、温度管理やPH(ペーハー)によっても色が違ったりしてまるきり同じ色を出すというのは難しいです。
だからこそ、一期一会の気持ちで
「今日はどんな色に仕上がるかな?」
と、楽しみながら行うことが出来ます。
これって、人間みたいだと思いませんか…?わたしたち人間も毎日同じような日を過ごしているようで、違います。
とても気分がのっている時もあれば、落ち込み気味の時もあったり、良いことがあって嬉しい日や、からだが重い日があったりと…。毎日微妙に違いますよね。
そんな自分自身の姿を映す訳ではないですが、植物も毎日違うんだなぁと思うだけで、とても愛おしく感じてしまうのです^^
今回参加してくださった方には、ご自身で絞っていただき草木のパワーを取り入れた
世界にひとつだけのオリジナル風呂敷
を通じて、植物の力を取り入れること、自然と仲良くなること、日本人としての誇りをもつこと、自分自身を愛すること…そんなことを持ち帰っていただけたのではないかな?と感じます。
そして、参加者の方が日常で風呂敷を使うことや、この記事にたまたま辿り着いたあなたが
「日本の文化っていいな」
「和のある生活って素敵だな」
と思っていただけたら心から嬉しく思います。
本日も最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。
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