「着物を着てお出かけしたい!」と思ったとき、着物や帯のコーディネートに気を取られて、「履物について考えていなかった!」という経験はありませんか?
洋服でもそうですが、履物は全体のバランスにとって重要なもの。今回はどのようにして選び、全体的なコーディネートを作っていけばよいかをご案内いたします!
・草履と下駄の違いと知ることができる
・素材感による違いを使って感覚的に全体をバランスよく見せることができる
・一足目に選ぶ履物と二足目以降に選ぶ履物がわかる
・どのようなシーンで草履や下駄を履くと良いのかがわかる
これらの基準を自分の中に持ち、迷わず自信を持って履物を選べるようになれます!
まずは、草履と下駄の違いを知ろう!
あなたは明確に草履と下駄の違いを言葉にすることが出来ますか?
「下駄は素足で履くもの、草履は足袋で履くもの」
というのも正解ですが、下駄を足袋で履くこともメチャメチャあります(^_-)-☆
今回は浴衣に素足で合わせる下駄とは別に、足袋を履いた上での草履と下駄の違いについてお伝えしています。
式典などのフォーマルシーンに下駄を履いていくのは絶対におススメできないので、あくまでも街着として着る場合を想定しています。
浴衣に合わせる下駄は以下の記事を参考になさってくださいね!
下駄は台座が木製、草履は台座がコルク
ざっくりとご説明すると、下駄の台座は木製です。木です、木。
なので、草履に比べると履いた時に足の裏がしっかりとした感じを受けます。
一方草履は、見えない部分は中身がコルク素材で、表面を革などで覆っています。
コルクも木なのですが、加工してあるので下駄よりも軽いものが多いです。
もしくは、お手軽な値段なものだと全体がウレタン素材でできています。
どちらとも下駄に比べると足当たりが柔らかいのが特徴です。
↓↓42秒で簡単に下駄と草履の違いを解説しています。
鼻緒について
草履や下駄で一番目に付くところは鼻緒です。
布製のものやエナメルのものがあります。
草履は布素材もエナメル素材もありますが、下駄は布素材のものが多いですね。
鼻緒の雰囲気によっても、受ける印象が変わってきます。
可愛いらしい鼻緒だとかわいらしさを表現できますし、
カッコいい鼻緒だとカッコ良さを演出できますし、
シンプルな鼻緒だと、主張が少ないのでコーディネートしやすいというのがあります。
きちんと感とカジュアル感でコーディネートする
素材の違いを知ったことで、まずは草履と下駄の見分け方がわかりました。
次に、合わせる着物によって、きちんとしたいのか、カジュアルにしたいのか?で
きちんと感→草履
カジュアル感→下駄
という風に大きく2つに分けて選んでいくと失敗なく選ぶことができます。
素材感の違いで合わせる
着物でも、比較的滑りが良くて光沢のあるもの、きちんと感が出ているもの(やわらかもの)
ざっくりしていてナチュラルなもの、カジュアル感があるもの(かたもの)と大きく分けて2つに分かれますね。
これは、初心者の方でも見た目や手触りで感覚的にわかると思います。
この、感覚的にわかるというのがとても重要です。
着物の種類が分からないのに固有名詞を並べられてもピンときません。
ですので、最初は光っているか光っていないかで判断しましょう(^^♪
絶対!ではありませんが、素材感で着物と履物を揃えると全体的なコーディネートが整うのです。
洋服で考えてみよう
シフォンやレーヨンなどの柔らかい素材のもの、スーツやスーツに近い恰好にはスニーカーよりエナメルや皮の靴が合わせやすいでしょうし、
Tシャツやコットンのブラウスなどには、キャンバス地のスニーカーなどが合わせやすいですよね(^^♪
つまり、光沢感がある着物(光の当たり具合によってキラキラ見える)ものを着た場合には草履の方がしっくりきますし、
ざっくりとした着物の場合には下駄の相性が良いです。
繰り返しになりますが、これは絶対ではありませんので、
光沢のある素材の着物に下駄を合わせたり、ざっくりした着物に草履を合わせることも出来ます。
ただ、最初に迷ったときに全体の統一感という視点で考えていただくと、
悩まずに済むのではないかと思いますので、ご参考にしてください。
着物が光っている場合→履物も同様に、光沢感があるもの(草履)
着物が光っていない場合→履物も同様に光沢感がないものを選ぶ(下駄)
一足目に選ぶ履物はどんなものが良い?
次に初めて履物を選ぶ際、一足目に選ぶのには何が良いかをお伝えします。
結論からお伝えすると、汎用性を考えてシンプルな草履を選ぶのが良いでしょう。
台座、鼻緒共に、一足目にはクリーム系やグレー系、モノトーンに近い色、茶、エンジなど、着物に合わせやすい色がおススメです。
鼻緒を選ぶ際に本当に多くの素敵なものがあって迷うと思うのですが、それは二足目以降にしていただいた方が、どんな着物にも合わせやすいです。
素材はエナメルでも布製でも構いません。一足目にはシンプルなものを選ぶことを意識してください。
そうすることによってあなたが履物で悩むことが少なくなります。
二足目以降は…?
二足目以降はご自身のお好みのものを選ぶことをおススメ致します。
何といっても好きで着るものですから、好みのものを取り入れることでテンションが上がります^^
- 自分がどんなスタイルが好みなのか?
- どんな着物を多く着用するのか?
にもよりますが、アレコレ考えるよりも雰囲気や好みで「好き!」と思えるものを身に着けることが一番楽しいですものね。
実際にどんなところで購入する?
今はコロナ禍で、外出の機会も減ったのでネット購入される方も増えていると思います。
様々なお店がありますが、街着に合う履物を販売しているお店のリンクをご紹介いたします。本当にたくさんの種類があって目移りしてしまいます(^^、是非ご参考にされてみてください。
カフェ草履のカレンブロッソさん
浅草の履物屋 辻屋さん
出掛ける場所でコーディネートする
最後に出かける場所によって適した履物として一般的なことをお伝えいたします。
草履が適している場所…ホテルや料亭での食事、講師や代表者として人前に出る時、茶事、観劇
今回は街着に合わせるということでお伝えしていますので、街着で想定できる草履が適している場所を挙げました。
その他、友人や知人との食事、庭園散歩、観光などは下駄でも全く問題ないですね。
まとめ
いかがでしたか?
・草履と下駄の違いと知ることができた
・素材感による違いを使って感覚的に全体をバランスよく見せることができる!
・一足目に選ぶ履物と二足目以降に選ぶ履物がわかった
・どのようなシーンで草履や下駄を履くと良いのかがわかった
これだけの基準が備わりました。
着物を着るのに基準が分からないから着ることを躊躇してしまっているという方は本当に多いです。でも、それは本当にもったいないことですよね。
今は少ないかもしれませんが、
「下駄に足袋なんて、おかしいわよ!」
と言われる時代も少し前にはあったかもしれません。
でも、今は帽子をかぶっていようが、ブーツを履いていようが、スニーカーを合わせていても、
「素敵ね、そのコーディネート」と仰ってくださる方が増えています。
何かあなたが着ているものに対して口出ししてくる着物警察的な方がいらっしゃったら
「なに言ってるんだ、この化石頭!」 「昔はそうだったみたいですね、教えていただきありがとうございます。けれど、今はこうやってコーディネートしている人が増えているんですよ(^_-)-☆」と、毅然とお伝えすれば良いと思います。
「着物を着たい」と潜在的に思っていらっしゃる方は非常に多いので、この記事に辿り着いて、ご自分なりの基準を持って楽しく着物ライフを送ってくださる方が増えたらわたしもとてもうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また、別の記事でお会いしましょう♪
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