秋分の日にはおはぎ?牡丹餅(ぼたもち)?どっち?
こんにちは!着物Lifeアドバイザーのユキです。今日は秋分の日にいただく行事食である【おはぎ】【牡丹餅(ぼたもち)】について、お話をしていきます。ちなみに…秋のお彼岸にいただくのはおはぎですか?牡丹餅(ぼたもち)ですか?
え…?おはぎでしょうか?
も細かく考えたことがなかったのですが、一般的に春のお彼岸にいただくのが牡丹餅、秋のお彼岸にいただくのがおはぎと呼ばれているそうです。なでしこちゃん、さすが!
季節によって呼び名が違うんですね!
日本人でありながら、行事食をあまり口にすることは少なくなってきたけれど、自分が伝える立場になった時に、子供たちに食の意味とか伝えていけたらいいわね。今日はおはぎと牡丹餅を少し掘り下げてみていきましょう
まず、お彼岸というのは、年に二回、3月と9月にありますね。春分の日、秋分の日と、どちらも国民の休日となっており、その前後3日間、合計1週間を【お彼岸】と呼びます。
国民の休日には各日にどんな日なのか?という説明が国民の祝日に関する法律にあり、秋の彼岸の中日である秋分の日は、
【祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ】
という日になっています。
明治6年に、それまでに使われていた暦から現在の暦に改定され、その年に祝日と祝日の趣旨も決められました。
現在は国民の休日という祝日になっていますが、元は秋の皇霊祭で、
天皇、皇后、皇親をまつる日だったんです
けれど、GHQにより、天皇と政治が切り離される政策がとられ、
【祖先をうやまい、なくなった人をしのぶ】
という風に変化したという経緯があるようです。
秋分の日とお彼岸の関係
さて、秋分の日は、秋のお彼岸の中日(ちゅうじつ)でもあります。2023年は彼岸入りが20日、明けは26日。
お彼岸は、春分の日と秋分の日を中日として前後3日間、合計1週間のことを言います。
彼岸については、春分の日で詳しく触れていますので、こちらの記事を参考になさってください。
半年後になりますが、2024年の春分の日は3月20日で、彼岸入りは3月17日、明けは23日となります。
お彼岸にお墓参りをするのは、先祖をしのぶというところからきています。元は大陸から伝わった思想ですが、そこに日本の先祖崇拝が合わさり、現在のかたちとなりました。お彼岸に墓参りは日本独特の習慣らしいですよ!
お墓参りに行かれた際には、掃除をして、お墓を洗ったあとは、拭きあげてきましょうね(^^)
お彼岸におはぎを食べるのはどうして?
さて、いよいよおはぎの話に入っていきます。秋のお彼岸に食べるものをおはぎ、春のお彼岸に食べるものを牡丹餅(ぼたもち)と呼ぶという話をしましたね。
そして、おはぎとぼたもち両方食べた方がきっと一度は思うこと、
「おはぎとぼたもちってどう違うの?」
です。日本には見立ての文化が根付いており、この食べ物の名前もその時期に咲く花の名前をとっていることに由来するようですね。
おはぎは秋の七草のひとつでもある萩から、牡丹餅(ぼたもち)は牡丹の花から来ているようなのですが、実際に写真を見てみると…
秋はおはぎ=萩(はぎ)
春はぼたもち=牡丹(ぼたん)
「ん…?」という印象を受けますが、萩の小さな花から粒あんのものをおはぎと呼ぶというのは、なんとなく分かる気がします(笑)
ですが逆に昔の人は、この花とあの食べ物を結び付けたかと思うと、本当に、感性が豊かだなと感じます。
また、さらに調べてみると、諸説あり、
中の米の違い
うるち米(普段私たちが食している米)=おはぎ
もち米=ぼたもち
あんこの違い
粒餡=おはぎ
こし餡=ぼたもち
(おはぎの粒餡というのは、花の付きかたからなんとなく
イメージ出来るかなと思います)
大きさの違い
二口程度で食べられる小さいもの=おはぎ
おはぎよりも大きいもの=ぼたもち
中身を包むものの違い
きなこを使用=おはぎ
小豆を使用=ぼたもち
など、様々です。また、これらを夏は【夜船】冬は【北窓】と呼ぶこともあるようです。
さて、諸説ある中で、餡に使われている材料。これは、圧倒的に小豆が思い浮かぶのではないでしょうか??
実は、小豆が使われるのにもヒミツがあるのです
あなたが知らない小豆のヒミツ
おはぎのあんには、小豆、きなこ、ごま、ずんだなどが使用されます。
最もポピュラーなのは小豆でしょう。
小豆は古事記の中では五穀に数えられており、古くから日本人に馴染みがある食材でした。
また、昔の人は赤い色には【魔除けの効果】があると信じており、邪気払いの意味で使ったり、悪いものを寄せ付けない意味でお祝いの席でも食されてきました。お彼岸のお供え物として邪気払い効果がある小豆を使ったおはぎや牡丹餅が広まったのですね。
また、便利な調理器具がない中、丸めて包むという比較的簡単な工程で調理出来ること、小豆や米はどの家にも常備されていたことからお供え物になり、備えた後にいただくことで自分たちの力を蓄える為にも使われたのではないか?と推察します。
さて、【赤い色には魔除けの効果】というお話をしましたが、これが分かると、次々と「あぁ!あそこにもそんな意味が」というものが出てきます。例えば…
- 赤飯
- 還暦には赤いちゃんちゃんこ
- お地蔵様のよだれかけ
- 神社の鳥居
- 幣=へい(赤いものがごくまれにあります)
「あら、言われてみればそうかも!」と思い至ることがいくつかあるのではないでしょうか?
鳥居の色が赤いのなんて当り前に感じているかもしれませんが、カタチあるものには、全て意味があるんですね!
赤飯に使われる豆は、小豆よりも実はササゲが使われる!
ちょっと余談的なものになりますが、先程例を挙げた赤いものの中で、お赤飯があります。昔からおめでたい席で食していたものです。
赤飯の色は、豆から出しますが、この豆、実は小豆と思いきや、ササゲが使われていることが多いです。
…というのも、小豆は豆がつぶれやすく(つぶ餡なども皮が割れていますよね!)その皮が破れる様子が、武家社会では腹切り=切腹に通じるとして小豆よりも破れにくいササゲが使われるようになったそう。
どちらもカタチが良く似ており、植物の種類としては親戚のようなものですが、今でもササゲが使われることが多いですね。
ご家庭で赤飯を炊く機会があったら、豆選びからちょっと気にしてみてはいかがかな?と思います(*^^*)
まとめ
おはぎと牡丹餅(ぼたもち)についてお伝えしてきましたが、行事食ひとつひとつにも意味があるんですね。また、彼岸という習慣が日本独特のものだというのも驚きです。
また、このように暦や日本の習慣を知ることで行事の意味やその時期の植物にも詳しくなり、日本人の古来からの思想にも触れることができます。あなたの中の日本人としての血が、栄養を得たような喜びを感じているかもしれません。
暦は毎日の生活のことです。暦を知ることで毎日の生活の中で心が潤い、意味をもって時を過ごすことができます。これからも、少しずつ身の回りのことに意識を向けて人生を輝かせていきましょう(^^)/
それでは、本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!
和の文化を通じてあなたの人生がより一層輝き、「日本人で本当に良かった!」と心から感じる時間が増えることを応援してます
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【お知らせ】
2019年9月23日の【草木染めワークショップ@日本橋】は終了致しました。
2020年1月19日(土)10:00~12:00
清澄庭園【涼亭】にて、風呂敷ワークショップは終了しました。当日の様子はこちら▼
https://onomik.net/furoshiki-ws-report/
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