9月になりました!教科書的には単衣着物の季節です。
- 実際に単衣の着物ってどんなものなのか?
- どうやって見分けたら良いのか分からない~!
そんな風に感じたことはありませんか?
今回は、単衣着物について
- 袷の着物と何が違うの?
- どうやって見分けたら良いの?
- 着る時に決まりはあるの…?
について詳しくお伝えしていきたいと思います!
・単衣の着物と袷の着物の違いが分かる
・どのように見分けたら良いのか分かる
・着用時に気を付けることが分かる
以上の内容を理解することができます!
単衣の着物とは…
そもそも単衣着物とは何?という話ですが、読んで字のごとく、ひとつの衣です。
逆に、袷というのは、衣が合わさると書きます。
2枚の衣が合わさっている(裏地が付いている)状態です。
単衣着物というのは時期が限られているので、パッとイメージが付きにくいと思いますが、浴衣を思い浮かべてみてください。
一枚の反物のみで縫い上げた、裏が付いていない仕立て方が単衣です。
↓↓↓こちらの動画で単衣と袷の違いについて詳しくご紹介していますので、是非参考になさってください。(動画6:50)
(アイコンをクリックしてチャンネル登録していただくと、動画アップのお知らせが来ます!)
袷(あわせ)とは?
逆に、袷は2枚の衣を縫い合わせてあり、袖口と裾部分には特徴的な色を持ってきてチラ見えする部分をオシャレにしています。
着物姿で歩いている人の裾部分がチラリとめくれた時に着物の色とは違う生地が使われているのを見たことがありませんか?
あれは、裏にまで気を遣っているオシャレなんですね(^^)
もっとわかりやすく言うと、花嫁衣裳の白無垢で、裾部分の裏地に赤色が入っているのならイメージできると思います。
八掛ひとつでイメージがまるで違う
裾部分の生地を八掛(はっかけ)というのですが、【八掛に何色を持ってくるか?】で着物全体の印象が変わります。
30代~40代になり、やっと趣味で着物を楽しむことが出来る年齢になったのに、「八掛が真っ赤で若々しすぎる、派手過ぎて無理~(;’∀’)」という方は、八掛の色味を変えるだけで落ち着いた雰囲気になることがあります。
単衣と袷の見分け方
単衣か?袷か?というのは仕立て方の違いになります。裏地をつけるかつけないか?の違いです。同じ生地でも単衣に仕立てることもあれば、袷に仕立てることもあります。ですので、生地としての違いではなく、仕立て方の違いということを分かっておけば良いです(^^♪
着物の裏を見る
一番簡単な見分け方は、着物の裏を見ることです。袷の着物のほとんどが白い裏地を使っています。(もちろん例外もあります)
着物をチェックした時に、「白い布が半分付いている時は?」という疑問もあるかもしれません。
その場合には裾や袖を見てみましょう。上記の写真のように下半分だけに布が付いている場合は、衣敷当て(いしきあて)と言います。着物の透けを防止する役割と、立ったり座ったりしたときの負担を軽減するという役割で縫い付けてあります。この場合は単衣です。
着物の裾を見る
裾部分に着物の表地と異なる布が付いていれば、袷です。(例外もあります)
ただ、袷の場合でも目立つ色ではなく、表地と同じ布や色で仕立ててあるものもあります。
購入する際にはきちんと裏全体を見てみてくださいね!
着物の袖を見る
八掛と同じ色目の布が袖口に使われていることが多いです。表地と違う色の布がついていれば袷です。(例外もあります)
反物で購入した場合には?
既に仕立てが済んでいるものを購入する場合には見分け方が必要ですが、単衣か袷かというのは仕立て方の違いなので、反物購入でこれから仕立てをする場合にはどちらにするか選ぶことができます。
着用目的によって仕立てを変えよう!
そもそも単衣の着用時期というのが短いので、どなたかから着物を譲り受ける場合や、市場に出回っているリサイクル品では、圧倒的に袷が多いです。
【袷の方が圧倒的に多い】ということは、リサイクル品で自分サイズに合った単衣を探すのは結構困難だったりします。
特に身長が高い、腕が長い方は、気に入ったデザインを見つけても、サイズが合わないことが多いです。私自身も単衣のリサイクル品はかなり気合を入れて長期的に探します(笑)
年間を通じて着物を着用する方は、袷は人から譲り受けたものやリサイクルで揃える、反物購入した場合には自分の体のサイズに合った単衣にする!のもアリだと思います。逆に、友人の着物愛好家は、「袷の時期しか着物は着ない」と割り切っている方もいます。考え方は人それぞれです。
個人的なことで言えば、身長が高い(約168㎝)わたしは、反物を購入して自分で単衣を仕立てます。ですが、七五三や宮参りなど、着用目的が決まったものであれば、その時期に合わせて仕立てます。
ここは、着物の着用時期や頻度、使用目的によって異なってくるので、どんな場面で着用するか?を考えてから仕立てましょう(^^♪
↓↓↓こちらの記事でも、きくちいまさんが袷の着物を単衣に仕立て直したという経験が綴ってありますね
単衣の時期は、体感温度が最優先 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.11 (KIMONOTOきものとより)
単衣着物の良い点
軽くて着用しやすい
単衣の方が一枚で仕立ててある分、袷に比べると断然軽いです。これは、着用した時にも感じていただけると思いますし、軽いというのはそのまま着用しやすいにもつながりますので、個人的には単衣の着物は大好きです♡
特に袷から単衣への移行期にはいつも「わぁ!軽い!待ってました~(^^♪」というくらいハッピーになれます。
一枚なので収納がかさばらない
何度もお伝えしていますが、単衣なので畳んだ時にも袷よりも薄いです。ということは、同じタンスの引き出しに入れた場合にも沢山入ります。これは単衣着物のメリットだと思います。
浴衣から着物へ移行しやすい
市場に出回っている着物は袷がほとんどだとお伝えしました。ここが浴衣と着物のハードルをつくっているとも言えます。ですが、浴衣から着物にステップアップしたい方にとって、同じ仕立ての単衣はとても手に取りやすい身近な着物になります。
浴衣は着るけど、着物はちょっと…。と足踏みしている方にも挑戦しやすい着物です。
単衣の期間っていつからいつまで?
教科書的には単衣は6月と9月という風に習った方も多いと思います。
ただ、最近では例年気温が高くなり、5月でも(4月でも)暑い日が多いことから個人の判断で早めに着用しても良いでしょう。
また、その年にもよりますが、10月まで暑い時もあります。
お稽古事やお呼ばれなどではその場のルールに合わせることも必要ですが、
楽しみで着るのなら着物はファッション!
ですので、体感温度に合わせて着るのが一番理にかなっていると感じます。
日本は南北に長い国ですし、洋服でも人によって早くから半袖の人もいれば夏でも長袖の人もいますよね(^_-)-☆
同じ日本でも住んでいる場所も違えば、地域の気温や湿度、個人の感覚が異なるのは当たり前です。
教科書的ルールを知った上でファッションとして自由に着るのが令和的な着物の着方だと思っています。
例外もアリ?ウールの着物は冬でも単衣?
他にも絹との綿やウールの混合素材では、単衣に仕立て、冬の期間に着るものもあります。上記の2枚の写真はウール&絹素材ですが、単衣に仕立てました。10月以降も着ています。
ウールや綿素材は、昔から働き着として着用されていたものなので、わざわざ裏地をつけるまでもない、修繕も楽、仕立ても楽になっているのかな?と思います。
着物は例外が多くて混乱してしまいますが、衣類なので様々な形態があるという事実を知っておくことが自分を助けることにつながると思います。
単衣着物を着る時に気を付けること
単衣の着物を着る時に気を付けることは、
- 自分自身の体感を大切にすること
- 見た目に暑苦しくまたは、寒すぎないようにする
ことが重要だと思います。
体感は、着物の素材で調整する、見た目は色で調整すると実感しやすいです(^^♪
結局は、夏と冬をつなぐ季節の変わり目の衣類なので、袷~単衣と薄着になる季節には小物たちもだんだんと涼しさを感じさせるものを
逆に単衣~と袷になる季節には小物たちから先に冬仕様のものへと変えていくと、準備もスムーズですね。
着物に合わせて徐々に帯や小物も軽いものor重いものに切り替えるのが良いでしょう。
是非じっくりとご自身がお持ちの小物たちを観察してみて、
まとめ
いかがでしたか?
・単衣の着物と袷の着物の違いが分かる
・どのように見分けたら良いのか分かる
・着用時に気を付けることが分かる
以上の内容をとっても深く知ることができたと思います!
着物は実際に着用してみて初めて感じることが多い衣類です。
そして、単衣はとっても着やすい着物ですので、着物にちょっとハードルを感じている方はとてもおススメの着物になります。
着物を着ると日本人で本当に良かったと感じます。いつもとは自分に自信が持て、内面も自然と磨いていくような思考が働きます。こんな素敵な衣装の魅力をたくさんの人が感じて楽しんでいけたら良いなと思っています。
参考サイト、画像、イラスト
イラスト:イラストACより
KIMONOTOきものと
コメント