オトナの気軽にdaily”和風”レッスンVol.68【畳】
日本のこと、季節のこと、行事のこと、名字のこと、家紋のこと、和服のことなどを発信しています
お盆の時期には、家族や親戚と集まる機会も増えますよね。
田舎に帰った時の畳の部屋って、なんだか落ち着きませんか??
そこに親戚が集まります。
普段と違う低いテーブルで食事をいただく時、
最初は座り方に戸惑いますが、畳だとそのままゴロンと出来るし、
フローリングのように固くないので、リラックスできるなぁ~とも思います。
3分でグッと理解が深まる”和”の情報を発信
オトナならぜひ知っておいて欲しいこと。 教養、常識、マナー、伝統、
子供にみせていきたい姿を 日々わかりやすく紹介していきます(*^^*)
発行者:onomik オトナの気軽に和服レッスン主宰 かつた ゆき
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7月8日【畳】
★【畳】の語源は畳むから!古来はゴザなどの薄い敷物だった件
★敷き方にも意味があった?祝儀敷きと不祝儀敷き
★畳の縁を踏んじゃいけないのは、どうして??
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【畳】の語源は畳むから!古来はゴザなどの薄い敷物だった件
和室に使用される畳。
現在は洋室が多くなり、
和室で過ごす時間が少なくなって
畳と接する機会が減りました。
ですが、暑い時期になると、い草マットを
活用しているお宅も多いのでは?
あのひんやりした感じ、香りが心地良いですよね!
それもそのはず!い草には、
『フィトンチッド』
という森林と同じ芳香成分が含まれ、
殺菌作用まであるそうですよ~。
やはり、日本人が昔から使ってきたものって
心にも体にもよいですね(*^^*)
元々、畳は【畳む】からきており、
部屋に敷き詰めるようになる前は、
畳んだり重ねたりしていて、
現代の私たちのい草マットの使い方とほぼ同じです!
敷き方にも意味があった?祝儀敷きと不祝儀敷き
ちょっと驚きなのですが、江戸時代には、
畳の敷き方で、
祝儀と不祝儀を区別
していました。
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・角が十字にならないのが【祝儀敷き】
(一般家庭はほとんどこの敷き方)
・角が十字になるのが【不祝儀敷き】
(寺や和室の大広間でもあり)
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なんだかパズルみたいですが、
縦と横の長さが1:2だからこそできる、
技であり、日本住居って
奥が深いと感じずにはおれません(*^^*)
葬儀の時に不祝儀敷きにするのは、
通常と異なったやり方にすることで、
いつもとは違う場や時間であることを表し、
これを【逆さ事】と言います。
この世とあの世が逆の世界であるという
考えからきているんですね。
この、【逆さ事】は、
亡くなった人の着物の衿合わせを通常とは逆にしたり、
帯を縦結びにしたり、逆さ屏風などでも表現します。
また、畳の敷き方ですが、
床の間や、襖の前など、
人の出入りがある場所は、畳はその箇所と平行になっており、
使う人が心地よく、
さらに、
摩耗が少ない敷き方
であるのも、日本ならではの文化であり、
素晴らしい心遣いですよね!
そんな畳は世界共通語、ローマ字表記で【TATAMI】で通じるそうですよ!
畳の縁を踏んじゃいけないのは、どうして??
和室の作法で、
【畳の縁を踏んではいけない】
って言われたことありませんか??
(わたしはあります(;^_^A)
理由はいくつかあるようですが、
<理由1>
・畳縁(たたみべり)には、家紋をあしらったものが使われており、
「踏むのは恐れ多い」というのが昔からの考え方。
昔は畳縁の模様や色で身分を表す時代がありました。
家紋が入ったものも多く、家紋は代々の家系そのもの
つまり、ご先祖様の代まで遡るということですね。
そんな家系を表すシンボルは、
たやすく踏みつけることはできませんね。
なるほど、納得!
理由が分かれば、自然とそれが振る舞いにも表れて
心遣いが出来る人になれますよ(*^^*)
<理由2>
・忍びが畳と畳の隙間から剣を差し込んで暗殺を企てるから!
腰に刀を携えていた武士の世では、
常に命を狙われる危険性がありました。
天井裏や床下に敵が潜んでいてもおかしくありません。
現代に置き換えてみて
そこらじゅうの人がナイフを持っていたら
かなりおっかないですよね…(*_*)
自らの命は自ら守るということが
【畳縁を踏まない】というところまで
徹底していたのではないでしょうか!
<理由その他>
・畳縁を作った人への敬意の気持ち
・畳が歪んでしまうからとか…
色々言われますが、どれもその通りだと思います。
また、畳縁は、境界(結界)とも考えられ、
和室の作法でも非常に大切にされていますよ。
それでは、本日のレッスンはここまで。
最後までご視聴いただき、誠にありがとうございました(*^^*)
イラスト:イラストACより
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