着物の土台となる長襦袢、綺麗に着る方法とは??

長襦袢関西仕立て
この記事を書いた人
オトナ和服のユキ 年間200日和服生活
ユキ
今日は普段何気なく着ている長襦袢について解説しますね!

今日もご覧いただきありがとうございます(*^^*)

冒頭にも書きましたが、今日は普段何気なく着ている長襦袢について、
その仕立ての種類や、衿問題、ちょっとした工夫をお伝えしていきます。

 

「長襦袢の衿がすぐグチャグチャになってしまう」

「衣紋がなかなかうまく抜けない」

「衿が左右均等に出ない」

 

などのお悩みに対する解決策や、

実は知らなかった、衣紋を抜く理由、

知っておくと楽になる着方など、盛りだくさんなので、

ぜひ最後までお読みいただき、
今日よりもっと和服が似合う女性を目指しましょう♪

 

●もくじ

1.長襦袢のお悩み

1-1.お悩みパターン「長襦袢の衿がすぐグチャグチャになってしまう」
1-2.お悩みパターン「衣紋がなかなかうまく抜けない」
1-2-1.そもそも衣紋を抜くようになった理由
1-2-2.衣紋抜きって本当に必要??
1-3.お悩みパターン「衿が左右均等に出ない」

2.長襦袢の種類
2-1.素材による違い・絹・綿・麻・モス
2-2.仕立ての違い 関西仕立てと関東仕立て
2-3.裁断、仕立て段階での衿の付け位置

 

目次

1.長襦袢のお悩み

1-1.お悩みパターン「長襦袢の衿がすぐグチャグチャになってしまう」

上半身の着崩れで最も多いのが、
・衿元が崩れてしまった

だと思います。衿元の崩れは、胸元の調整と、
衿合わせの重ね具合によって防げます。

帯の上の着物のカーブが膨らめば膨らむほど、
動いているうちにどうしても緩んできます。

トルソー和服

 

 

 

 

 

 

 

解決策としては、長襦袢を着た後の伊達締めでしっかり面で固定すること。

また、バストとウエストの差が大きい人は、帯を締める辺りに

タオルを多めに巻いておくとカーブが少なくなり、

カタチをキープすることが出来るようになります。

 

また、着た時の姿勢によっても変わってくるので、

背中を背もたれに付けて首、肩が前に出てしまう癖がある人は

衿元が緩みやすいんですよ。

 

姿勢を良くしようとして反り腰になってしまうと余計疲れてしまいますが、

帯を締めているお腹の部分の皮をピーンと真っ直ぐ張る感じを保てれば、

衿の崩れも起こりにくいです。

 

着方もありますが、その後の着ている人の姿勢も

大きな問題なので、気が付いたら姿勢を正してみてくださいね!

 

1-2.お悩みパターン「衣紋がなかなかうまく抜けない」

「衣紋はこぶし一つ分抜く」なんてよく言われますよね。

習ったところによっては、
「衣紋抜きに胸紐を通すと綺麗に抜ける」

と言われた人もいるかもしれません。

「衣紋、衣紋… 。」とそればかり気にしすぎて、

衣紋抜きが付いている部分ばかりを引っ張っていませんか?

 

あれは、便利な道具ではありますが、必ずしも必要ではないんですよ。

次に着る時には、衣紋を抜くときに、中心だけではなく、

背中に手を回して全体的に下に引っ張ってみてください。

伊達締めを締めた後に、もう一度確認。

これで、かなり安定します(*^^*)

 

1-2-1.衣紋抜きって本当に必要??

さて、あると便利!と疑うことすらなかった衣紋抜き。
あれって本当に必要なものなのでしょうか??

長襦袢を着た後に、着物の腰紐をする時に

「邪魔だなぁ~」
「どこに入っちゃったんだろう・・・??」

と、思ったことがあるのはきっと、わたしだけではないはず!

で、昔の長襦袢には付いていないことも多いんですよ。

だって、そもそもなかったものだから(笑)

 

実は、慣れてしまえば、ない方が楽なんです。

夏の透ける着物で衣紋抜きが透けてたらおかしいですしね(*^^*)

シンプルが一番!ということで、

早めに衣紋抜きは外してしまいましょう♪。

 

「あれが無いと、着れない...」よりも、

「あってもなくても大丈夫!」な方が、安心しますよね。

 

先程もお伝えした通り、全体的に下に引っ張れば大丈夫です。

まずは中心、それから左右を下に引っ張って

その後に余った部分はわきの下で処理してくださいね。

 

1-2-2.そもそも衣紋を抜くようになった理由

さて、長く着物を着ている方でも、もしかしたら知らないかも・・・

「何故、衣紋を抜くのか??」

「女性の衣紋は抜くもの!」と思っているあなた!

次に神社に行った時に巫女さんを観察してみてください。

 

衣紋...、抜いていません。

また、男性も抜きませんよね。

 

そもそも衣紋を抜くようになったのは、江戸時代からという説があります。

 

男性も女性も髪を結っていましたが、だんだんと、

女性の髪型のボリュームが出てきました。

 

流行り、流行の髪型はそのとき、その時によって変わっていきますが、

江戸時代にも、現代で言う「盛る」が流行った時期があったのですね。

 

だんだんと女性の髪型が大きくなるにつれ、

髪に付けていた油(整髪料)が衿につくようになりました。

 

・・・と
そんな流れで衣紋を抜くようになったとか。

今は当たり前と思っていることも、時代の背景や流れがあるのですね。

 

衣紋を抜くは決まりではないので、和服生活をしている人は、

冬には寒さ対策で詰めて着ることもあるので、ご承知おきを!

 

1-3.お悩みパターン「衿が左右均等に出ない」

左右均等に衿が出ない...

原因は、

・長襦袢の衿合わせ
・その人の左右の傾き

に寄るところが大きいです。

鏡をみて、しっかりと中心で合っていると思っても、

背中側の中心がズレていたら、動いているうちに左右の比率が変わってきます。

 

背中側の中心が右にズレていたら右側に、左側は引っ込みます。

左にズレていたら、左側が出てきて、右側は引っ込みます。

次回は長襦袢を着た時の、後ろ姿も気にしてみましょう!

 

 

2.長襦袢の種類

2-1.素材による違い・絹・綿・麻・モス

結婚式や七五三、成人式など、セレモニーで着る着物の場合は
長襦袢も正絹(しょうけん=絹)です。

色も厳密には決まっていて、留袖の場合には白の襦袢となります。

薄いピンクやクリーム色など見かけることが多いと思います。

 

ただ、長襦袢は、袂(たもと)からチラリと覗くこともあり、

街着としてオシャレに着たい場合は着物に合わせて柄物を選んでみてください。

楽しさがグッと広がりますよ!

 

絹は基本的に家庭では洗いませんが、

下着のすぐ上に着る長襦袢は、自宅で洗えたら嬉しいですよね♪

 

そんなときは、

ウール、綿、麻素材のものは洗えます。

 

よくモスリンって聞くと思いますが、モスリン=モス=羊毛=ウールです。

明治くらいから入ってきた比較的新しい素材なんですよ。

 

素敵なモスの襦袢があったので▼▼▼

染織こだまさんのモスリン襦袢
http://someorikodamas.com/muslinjyuban.shtml

 

洋服でも季節に合わせて下着を変えると思いますが、

モスは冬に温かく、麻は夏にとても涼しいですよ(*^^*)

 

2-2.仕立ての違い 関西仕立てと関東仕立て

普段何気なく着ている長襦袢ですが、衿の違いで

関西仕立てと関東仕立てがあります。

 

2-2-1.関西仕立て

多くの方がこちらのタイプの長襦袢を使用していると思います。

カタチは着物と似ていて、つまがあるタイプ。

今はこちらが一般的で、名称を「関西仕立て」と呼びます。

衿の部分が身頃より出っ張っているタイプです(関西仕立て)

きものの衿の付き方と同じと言えば伝わるでしょうか??

 

半衿から下の方見て頂ければ

衿が身頃とは独立しているのがわかります。

長襦袢関西仕立て

 

 

 

 

 

 

 

こちらの方が抱き幅が広く、しっかりと衿を合わせられます。

ふくよかな方にも合っています。

 

2-2-2.関東仕立て

関西があるということは。。。関東仕立てというのも存在します。

リサイクルショップで売られているもので見かけたりしますし、

あとは男性用はこちらのタイプが主流ですかね。

わたしも、母から譲ってもらった着物一式の中に

ひとつだけ、このタイプがありました。

(計算すると、40年以上前に仕立てたものと思われます)

長襦袢関東仕立て

 

 

 

 

 

 

 

衿と身頃が一体化というか、

下までスーーーっと繋がっているの分かりますか??
(シワシワ…ご容赦ください)

こちらが関東仕立てです。

スレンダーな方や、衿合わせを浅くしたい人にオススメです。

みなさんはどちらを使っていますか?

 

今は一般的に女性ものは関西仕立てが多いので、

関東仕立てに出会うことも少ないですが、

それぞれのメリットもあるので

自分の体形に合わせて着比べてみるのも良いですね。

 

長襦袢はきものと違って衽(おくみ)がないので

別衿がある関西仕立ての方があわせた時の重なりが多く、

はだけにくく、(「抱き幅が広い」なんて表現します)

 

逆にスラリとしている人は関東仕立てが合うかもしれませんね。

着物も長襦袢も自分の身幅に対して

仕立ての布が大きすぎる...と感じている方には良いと思います。

 

長襦袢がなんだかうまく合わないなという人は

どちらか別の方を試してみると

案外うまく決まるかもしれませんね!

 

 

2-3.裁断、仕立て段階での衿の付け位置

さて、長襦袢にも着物にも共通していますが、

衣紋を抜くが一般的になってからは、

仕立ての段階から衣紋が抜ける仕組みになっています。

衿を付ける位置をあらかじめ少し後ろ側にずらして

袖付けをしているんですね。

 

わずか2-3cmですが、着ると肩が開く、胸が開くと感じるのも

そうした着物の仕立てによるものです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

長襦袢の疑問は解決したでしょうか??

ちょっとした知識とちょっとしたひと手間で、

ぐっと着姿が整い、美しくなりますよ!

 

もっともっと「なぜ?」を学んで

決まりごとと思っていたことが、ひとつの工夫だと

気付いてくだされば嬉しいです。

 

和服の世界はルールが多いと思われがちですが、

和服も洋服と同じように着るものなので

自分なりの工夫につなげていってくだされば幸いです♪

 

それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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